2007年5月5日土曜日

進化しすぎた脳 / 池谷 裕二



大脳生理学を専門とする著者が、高校生に脳科学を講義する機会があり、その時の講義を1冊にまとめたもので、最新の脳科学の成果を非常に判りやすく解説してくれています。

「人間は見たいものを見、信じたいものを信じる」という、海皇紀でのファンがよく口にするフレーズ。実は正に人間の脳は、そういう性質を持っており、それ故にパターン認識という複雑な処理をこなせるのだそうです。
目の網膜細胞の情報が、最終的に「今見ているものが何か」という判断を行う部位(大脳皮質)来るまでの途中で、画像が処理され変換や補正が行われ、本来の網膜情報は3%程度になってしまうそうです。つまり我々が「見ている」と思っているものの97%は脳内で処理された情報なわけです。このため、人は思いこみによる勘違いということが発生するのですね。
今見たり聞いたりしていることが、本当に本物かどうか...どうやって確かめればいいのでしょう?


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