2007年6月24日日曜日
【BMW雑記帳】くるまんが3
発売になりました。
で、BMWネタはないのですが、気になる記事がザッカーに載っていたので、そのお話を。
今度のスバル・インプレッサはかなり好評のようで、秋に出るという噂(というかメーカーも認めているから確定情報ですね)のSTIが期待されます。そのSTIの実験部を取り仕切っている方のインタビューがあります。
その中で「溶接したばかりのボディをすぐに組み立てずに工場内で寝かすのがいいと言っても信じる人は誰もいないでしょう?でも欧州の自動車メーカーは本当にホワイトボディを寝かしているらしいんです」との件があります。これは「物理や化学、そして常識では解明できないこと」と言われているのですが、これを読んでSTIへの関心が一気に凋みました。
この現象は金属工学的に時硬化性といって、金属を溶接した直後は強度が落ちており、時間が経つに連れて強度が回復する現象で、割と知られたことのはずなのです。特にアルミなどは溶接してから強度が出るまで、1週間くらい掛かります。鉄だと溶接して温度が下がれば、その時点でかなり強度が出ているので、普通はあまり気にしないのですけどね。
で、その強度が落ちている状態で組み付けてしまうと、弱いところが引っ張られて伸びてしまって...ということが起きるのです。
バイクがアルミフレームになり始めた頃に、スズキの技術の方が「溶接してすぐのフレームにエンジンを載せると落ちてしまうんです。そのため3日間置いて強度がある程度出てからエンジンを載せてます」ということをおしゃってました。鉄ならエンジンを載せても落ちることはないですけど、極僅かながらも溶接部分が伸びて、微少なクラックを発生させてしまう可能性もなくはありません。
溶接に限らず、鋳物とか鍛造とかプレスなどのように無理矢理に熱や力を加えて変形させた場合、金属は元の形に戻ろうとする力が働きます。結晶構造が歪んでいるため、縮んでいるところは伸びようとし、伸ばされたところは縮もうとするために起きます。金属だけではなくほとんどの材料で起こるらしく、服の生地でも織り立てではなく何十年も寝かしてから服に仕立てる方がよいと言われています。
そういうことを、まさか自動車メーカー勤務ン十年の方が知らないというのは...ちょっとショックです。
今度のインプレッサSTIは、乗り心地と走りを両立させたスーパーマシンというので、非常に興味があったのですがねぇ。
それでも経験則からホワイトボディを寝かせて組み立ててくれるなら、期待したいです。できればエンジンブロックも寝かせてから加工してくれないかなぁ、できれば10年くらい。
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