2007年7月3日火曜日

敵は海賊・正義の眼 / 神林長平



10年振りの「敵は海賊」です。同じく10年振りの火星シリーズ完結編「膚の下」が刊行されていますが、メルヘンチックな作品に飽きて、原点回帰したのでしょうか?
「敵は海賊」の方はこれで完結ということもなく、まだまだどこまでも続くぞ的なエンディングですが、伝説の海賊ヨウメイの独白的な文章が入っています。こんなのは今までにはなかったと思うので、ひょっとしたらそれが作者のヨウメイとの決別の意志の現れなのかも知れません。
「自分勝手な理屈をこねてやりたい放題するのはこのヨウメイだけがやっていいことなのだ」
若いときにはこういうのを「自由」と勘違いするのですが、伝説の海賊はそんな低レベルな勘違いはしませんな。やりたい放題したツケは全て自分一人で責任を負うわけで。
社会のルールを嫌って反抗した連中が、更に厳しい仲間の掟というやつに縛られて徒党を組むのとはレベルが100億倍くらい違います。

しかしヨウメイのヨウの字が、Webでは表現できんのよね。第3水準くらいなのかな?



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