"Unbroken arrow" - 直訳すれば「折れない矢」ですが、内容的には「未だ矢は折れず」というところでしょうか。
第1部がSFマガジンで連載が始まったのが1979年なので、もう30年前ですね。この30年間でやっと第3部まで来ました。「敵は海賊」シリーズの怒濤の刊行ペースに比べると、10年で1巻という低ペース。しかしながら内容はとてつもなく濃いので、書くのに10年掛かっても仕方がないよなぁ、と納得してしまうところに、神林氏の発想の凄さがあります。
こういうスローペースで発表されているにも関わらず、第2部を下敷きにしたOVAが作成されているし、様々なアニメや小説に影響を与えていて、「敵は海賊」シリーズとは別の意味で、日本SF界の金字塔的作品と言えましょう。
今回は戦闘機でのドンパチはほとんどなくて、登場人物達の精神的葛藤シーンのオンパレードです。ジャムの攻撃が物理的なものから心理的なものに変わったためです。これまでの雪風とは雰囲気が違いますが、むしろこういうのが神林調なんですよね。
なので、これはちょいとOVA化は難しいだろうなぁ。
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