2010年4月17日土曜日

Xperiaは電気羊の夢を見るか

Xperiaが人気で売れているそうですね。iPhoneは欲しいけどDoCoMoじゃないと嫌だ、という人に受けているようです。
一緒に仕事をしている人が買ったので、触らせて貰いましたが、スムーズな動きはよくできているなと思いました。
Android SDKを触ったことある人なら判ると思いますが、AndroidのOpenSourceそのままだと、かなりカクカクした動きでスムーズじゃないんですよね。結局メーカーが大幅に手を入れてチューニングしないと使えないレベルのものがOpenSourceとして公開されているってことで。


なので、OpenSourceのAndroidを使えば開発費を削減できるってのは、全くの妄想でしかなくて、実際HTCの社長さんがHT-03Aの発表会でも「開発は普通の携帯以上に掛かっている」と言われていたくらいです。HT-03Aなんかは、標準のAndroidのGUIや機能をほぼそのまま搭載しているだけなのですが、それでも製品化するには色々と作り込みをしなければいけなかったということでしょう。
ソニエリがXperiaのような独自GUIを備えたものにするには、かなり大幅に手を入れることになって、莫大な開発費が掛かっていると想像されます。
それはそれで製品単体としてはいいのでしょうけど、結局は標準のAndroidとの互換性がなくなっているってことなんじゃないかと。Android Marketで売られているアプリを買ってインストールしたら、まともに動かないとか変な表示や動きになるとか、そういうことが起こらないのか?と疑問がでます。
AndroidはOpenSourceで、メーカーが独自性を追加しやすいというのが利点なのですが、それは逆にアプリの互換性がなくなる可能性を高くするし、開発者は様々なメーカーの様々な仕様の機種での動作確認をする必要が出て来てしまう可能性もあるわけです。
iPhoneの開発がやりやすいと言われる理由の一つは、単一なプラットフォームで、手持ちの1機種で動作確認をしれば大丈夫、ということがあります。
画面解像度が微妙に異なる機種5種類に対応したデザインとコーディングをして、試験して、動作確認して、となると開発に掛かる時間は膨大に膨れ上がります。
DoCoMoやauは、Android端末に対応した独自のアプリマーケットを構築するようですが、そうなると開発者は、GoogleのAndroid Marketの他に、DoCoMoやauのMarketにも登録が必要になるし、それぞれの機種に合わせて造り替えも必要になるでしょう。
日本の携帯がガラパゴスと揶揄される原因は、結局キャリアが、他との互換性をなくし自分達だけの枠内でしか使えないようにして、それによってユーザーが他に逃げられないようにする、という囲い込み戦略を徹底的に実行した結果です。独自仕様に拘った挙げ句、世界標準仕様にもなれない、世界標準仕様を取り込めないことになり、狭い世界での競争しかできなくなってしまったわけで。
Androidを取り込むことによって、世界標準への移行を進められるはずなのに、結局は独自の仕様を大幅に盛り込んで、世界標準ではなく独自標準にしてしまい、ユーザーを囲い込む戦略をこれからも続けていこうということなわけで。
これで日本のAndroidアプリ開発が盛り上がるのか?

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