2010年7月14日水曜日

太原雪斎と今川義元 / 江宮 隆之



戦国末期に終止符を打った三武将、織田信長にはブレーンとして禅僧の沢彦がおり、豊臣秀吉には全宗があり、徳川家康には南光坊天海と金地院崇伝がおりと、揃って僧をブレーンとして珍重しています。その元になったのが、今川義元に仕えた太原雪斎です。戦国武将がブレーンに僧を採用するのは、今川義元を以て嚆矢ということです。
今川義元というと、信長の奇襲にあって首を取られた間抜けな武将というイメージが強いですが、実際にはかなり優秀な人だったようで、武田・北条との三国同盟を結んだり、それ以前の織田、武田、北条との戦いも一歩も引けを取らず、領国をしっかりと守っています。
とはいえ、太原雪斎が亡くなって上洛を目指したのは、やはり増長だったのか。
本作では、信長が降伏を申し出て和議を結びに出向いて、今川勢が油断しているところを奇襲で討ったという説を取っています。太原雪斎が存命であればそのような油断をすることはなかったのでしょうけど。


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