2011年6月20日月曜日

火の姫 / 秋山香乃



信長、秀吉、家康と3代の権力者に居城を責め立てられた、茶々の一生を描いた3部作です。
それぞれの権力者の時代毎に、分厚い1冊を構成し、3部全てを読むのにかなり時間が掛かりました。
とはいえ、ページ数からすると速く読み終えた方だと思いますが。
女性作家らしい読みやすく判りやすい文章と表現で、更に「へぇ〜こんなことがあったのか」と、この時代のことでまだまだ語られていないことが結構あるということを知らされ、その面白さでついつい読み進んでしまいました。

大阪では未だに豊臣秀吉が敬愛され、徳川家康が毛嫌いされていますが、派手好きで金をふんだんにばらまいて経済活性化に勤しんだ秀吉と、倹約家で無駄を省くことで経済縮小を招いた家康の差が、そのまま今に通じてしまっているのかも知れません。
家康とその後継者が、必死になって淀君や秀頼のイメージ低下を喧伝しましたが、豊臣の誉れは今でも生き続けることを考えると、淀君や秀頼はこの物語に語られるように素晴らしい人格者だったのかと。

【文庫】 火の姫 茶々と秀吉 (文芸社文庫 あ 1-2)
【文庫】 火の姫 茶々と家康 (文芸社文庫 あ 1-3)

0 件のコメント:

コメントを投稿