2012年7月15日日曜日

利己的遺伝子から見た人間 / 小林朋道



最新の遺伝子学について何か面白い話があるかなと思ったのですが、そうでもなかったです。
ただ、生命体の最初はRNAだけが海の中を漂っていた、というのは興味深かったですが、その状態で生命体としての活動(増殖活動)をどうやってできたのだろう?
ウィルスはRNA単体の生命体ですが、増殖は我々のような細胞を持つ生命体に寄生して、DNAを書き換えて自身を増殖させるわけで、単体では増殖できないですし。或いは世界のどこか片隅に、RNA単体で増殖も行っているウィルスがいるのでしょうかね?

本書のメインテーマとしては、遺伝子が「利己的な意思」を持っているわけではなく、その遺伝子がある環境が遺伝子の増殖(つまりはその遺伝子を持っている生命体の繁殖)に有利であれば、結果としてその遺伝子が増えてしまうだけで、遺伝子が意思を持っているわけではないということことですね。
まあ確かにそれはそうだろうなと思います。
遺伝子の増殖活動というのは、単なる化学反応であって、それ以上でもそれ以下でもない。
が、ということは、生命体の活動も全て単なる化学反応の結果だということでしょうね。
我々人間が意思とか魂とか呼んでいる物も、結局は単なる化学反応の結果ってこと。

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