2013年9月12日木曜日

パンツァー・クラウン フェイセズ / 吉上亮



パンツァークラウン フェイセズI (ハヤカワ文庫JA)
パンツァークラウン フェイセズII (ハヤカワ文庫JA)
パンツァークラウン フェイセズIII (ハヤカワ文庫JA)

3部作で、各部が分厚いので、読み切るのに時間が掛かってしまいました。
名作なのは確かですね。
ちょっと文章が散漫気味のところがあって、物語に入り込むのに苦労しましたが。

Google Glassとかテレパシーなどの、拡張現実を直接眼球に投影するウェラブル・デバイスが流行ろうとしていますが、本作の舞台はコンタクトレンズ型のデバイスを人々は常に身につけ、コンピュータのお薦めに忠実に従って生きていく世界です。
見なくてもいいものをコンピュータが判断して、見ないようにしてくれる。
最適化ナノデバイスが、身体と精神を調整して、余計な記憶は消してくれる。
全て機械のなすがままに生きる世界。
それでも人々は、自分の意思で生きていると思っている。

テーマが難解なのか、そんな世界の中での登場人物達の行動と言動が、どうにも不可解で、結局作者は何を語りたかったのか、私には今一つ計りがたいところがあります。
機械の為すがままに生きるな、という安直なものでないことは確か。

まあ、今の世の中、既に人々は見たくないものは見ずに、見たいものだけ見て生きてますけどね。

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