2014年3月22日土曜日

Sports Graphic Number ソチオリンピック特集号が増刷されてます







スポーツ雑誌は普段買わないし、極たまに読みたくなる特集があれば買う程度なのですが、Sports Graphic Numberは好きな雑誌です。
今回のソチオリンピック特集号は、発売前から買おうと思っていたのですが、発売日に書店に行けず、行ったときには既に売り切れで手に入れられませんでした。
が、やっと増刷されたようで、書店に大量入荷していたので買って来ました。
4年前のバンクーバーの時も即日完売で、後日大量追加増刷されてましたが、売れるの判ってただろうに何でこうなるのかな?
売れそうでも普段と同じだけしか部数を出さないという社内規定でもあるんだろうか?

それはさておき、Numberのインタビューや記事の切り口というのは、他の新聞や雑誌とは違っていて独特のものがあり、そこが私が好んで買っている理由です。
羽生選手のフリーの演技について、新聞報道で「冒頭の4回転ジャンプを失敗して動揺したのかその後の演技が精彩を欠き」みたいなのが散見されたのですが、この記事書いた連中は今シーズンの彼の演技を観てないんかよ?と思ってしまいますね。
冒頭の4回転サルコーは、今シーズン全て失敗していて、転倒するのは想定済みなので、それで動揺するということはあり得ないです。
失敗するのが判っているのに何でやるんだ?と思われるかも知れませんが、今の採点システムでは「成功した3回転よりも、回り切って転倒する4回転の方が点数が高い」からです。
そこをインタビューで聞き出しているのは、私が目にした中ではNumber誌だけですね。
更に「4回転サルコーを入れることで、3回転サルコーを1回増やせて、そこでも点数を稼げる」という言葉を、羽生選手自身の口から引き出している。
どういう構成にすればより高い基礎点になるか、電卓を叩きながら練ったことも。
他のインタビュー記事が、喘息持ちでフリーの途中で息切れする体力を養う話とか、東北震災で練習場所を失った話とか、如何にも日本の一般大衆が好みそうな「苦しい中で努力を続けて得た金メダル」という美談に終始しているんですが、Number誌は彼の冷静で計算し尽くされた天才性を描いています。
自分に足りない物は何か、それを補うためには何が必要でどうすればいいか、平常心を保つためには何をどう考えればいいのか。
Number誌の羽生選手のインタビューは、これらを見事に引き出しています。
これを読むと天才というのは、一見当たり前のようだけど実際にやるのは難しいことを、平然とやってのけられる人物のことなんだなということがよく判ります。

19歳で伝説を創った彼は、更なる伝説になるべく既に4年後を見据えた答えをしています。
伝説が創られる過程を見たいのなら、これからの彼もしっかり見続けて行くべきです。

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