2017年6月22日木曜日

米国人弁護士だから見抜けた日本国憲法の正体 / ケント・ギルバート



ケントさん、弁護士の資格だけではなく、法律学者としての法務博士号をお持ちなのですね。
憲法(特定の憲法ではなく、世界各国の憲法全般)についての論文も書かれていそうです。
が、日本の憲法学者は、日本の現行憲法の文面についての専門家で、憲法とは何かとかどうあるべきかについては素人なんだそうで。
本書でも指摘されていますが、GHQが押し付けた現行憲法は、明確に国際法違反なので、本来なら棄却して大日本帝国憲法に戻すべきなんですよね。
今更、戻せるかというと(倉山氏も云うとおり)、既に70年間も運用されて来ているので、戻せないというジレンマ。

GHQが憲法草案を作成するに至った経緯や、第9条の軍備の放棄を入れた理由と過程についても、詳細に書かれています。
世の中に憲法護持を謳う人も、憲法改正を謳う人も、どちらも実は現行憲法についても、大日本帝国憲法についても、そもそも憲法とはどういうものであるかについても、全く知らないで思い込みだけであーだこーだ云っている虚しい論争であることがよく判ります。

憲法に限らないですが、日本人は明文法の文面だけを捉えて論ずる癖があります。
その反動か、明文化されていない不文律とか慣習などを無視する風潮が増えてきているように思います。
本書を読んで、法とは憲法とはどうあるべきものなのかを、しっかり考えてから論じましょうよ。

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