2017年8月14日月曜日

ストラディヴァリとグァルネリ ヴァイオリン千年の夢 / 中野 雄



日本ではヴァイオリンといえばストラディヴァリウスと謂われますが、グァルネリの方はあまり有名ではないんですよね。
ブランド物だと中身はともかくお値段とか有名人が使用しているとかで、マスコミが報道すると一般人もそれに感化されてそればっかりになると。
本書で専門家を集めて、値段の高いのから安いのまで集めて、ブラインドで聞き比べをしても、誰も当てることができなかった実例が紹介されています。
しかし、実際にストラディヴァリのヴァイオリンを使用されている、世界でもトップクラスのヴァイオリニストによると、弾きこなすのに何年もかかるとか。
パッと持って弾いただけだと、一流の弾き手でもその真価を発揮できないのがストラディヴァリなんだとか。
逆にグァルネリの方は、直ぐにいい音が出せる弾きやすさがあるそうで。
そんなのだから、ストラディヴァリを再現したヴァイオリンができても、同じような音がすぐに出せるわけではないんでしょうね。
17世紀から18世紀の、ほんの100年足らずの間に、伊太利亜北部のクレモナという地域の限られた職人だけが作り得た、至高の木の箱。
その秘密は未だに解明されないまま。
その木の箱についての蘊蓄は、音楽が好きな物なら知っておいて損はない話ばかりです。

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