2018年6月28日木曜日

明治維新という過ち・完結編 虚像の西郷隆盛 虚構の明治150年 / 原田 伊織



シリーズ第3弾で、完結編です。
今回は西郷さんの巨像を暴くことを主眼に論を進められています。
世で云われているような立派な人物ではなかったのは事実かも知れませんが、本書を読んでも下級武士の出なのに、非常な影響力がある人物であったことは間違いないようです。
対して、勝海舟はほら吹きの小物に過ぎない、と云いたいところですが、何故かそのほらで以て色んな人を動かしているんですよね。

何にしても、明治政府立ち上げ時の中心となった長州派閥の連中は、権力を得たことを利用して私腹を凝らすことに明け暮れていたのは間違いなさそうです。
このことは逆説の日本史でも指摘されていました。
今でもこの頃の長州派閥というのは、官僚の世界では生き続けているようで、官僚が天下り先として公金を使って多数の公益法人を作り、そこに意味もなく多額の税金を投入し、それを給与や退職金として懐にしている構図の原形は、明治時代にあったんでしょね。

0 件のコメント:

コメントを投稿