CONTAX RTS-IIIは非常にいいカメラです。使いやすいし信頼性も高いです。唯一の欠点というか、結構致命的な欠点なのですが、ファインダー倍率が低くピントが合わせにくいんですね。しかも公称倍率よりもかなり低く、同じ公称倍率のものに比べても、劣ると言われています。
それに輪を掛けて問題なのが、スクリーンです。標準のスクリーンは明るく、かつ像が非常にクリアに見えてくれるんですが、これが癖物で、ピントが合ってなくても合って見えるという性質なのです。このため、ファインダー倍率が低いことと合わせて、RTS-IIIで正確なピントを出すことが非常に難しくなってしまっています。
長年これは仕方ないものと諦めていました。私の場合は、師匠の影響もあって、絞りをかなり深く撮るので、ピントの合わない欠陥はあまり問題にならなかったこともあるんですけどね。パソ通やインターネットを始めてから、この問題を他の人に指摘されて改めて認識したんですが、そこでの情報のお蔭で現在はピントの問題はほぼ解決されつつあります。
最初は、純正の全面マットスクリーンへの変更です。マット部は標準添付のものと同じだろうと考えていたんですが、試しに入れてみると違っており、ピントの山が掴みやすくなっています。スケール方により、ピントの合焦率を測ったところ、バラツキが半分になりました。実際の撮影でもかなり合うようになりましたしね。
その次が、ミノルタのアルファ9用のM-IIマットです。若干回りを削って、裏表逆に入れるといいという話を聞き、早速購入して入れました。確かにこれは劇的な効果がありました。これのお蔭で、P1.2/55の開放がやっとまともに使えるようになったと言っていいと思います。ただ、M-IIは1.2〜1.4クラスに焦点をあてて設計されているので、f2.8より暗いレンズを中心に使う時は、恐らくMマットの方がいいと思われます。実際これを使っていた時は、明るいレンズ用にはM-II改、暗いレンズ用には純正全面マットという使い分けをしていましたから。
そして究極のマットは、T氏製作のTalbergスクリーンです。これはスリガラスのスクリーンなのですが、ピント検出能力という点では群を抜いています。物理的にファインダーの明るさとピント検出能力を両立させることは不可能なので、Talbergはギリギリ暗くして、ピント検出能力を優先しての設計がされています。そのためM-IIマットとの比較では、ファンダーの見やすさではM-IIですが、ピントの合焦率はTalbergが上でした。
このTalbergにもVersion1と2があり、Ver.1がf1.2クラスの明るいレンズを、Ver.2がf2.8クラスの暗めのレンズをターゲットに設計されています。現在、Ver.1と2を比較しているところですが、f2.8以上のレンズではVer.2を使う方がよさそうです。昼間の晴天で非常に明るい時なら、f2.8でVer.1でもいいのですが、夜景などの暗いところではちょっと苦しいです。
残念なのは、個人が製作しているため少量ロット生産で、入手が困難なことです。
まあ通常はミノルタのマットを削って使う方がいいと思います。そっちの方が安いし、入手が楽ですからね。
尚、M-IIスクリーンの改造方法、Talbergスクリーンの入手について、問合せのメールを戴いても一切お答えはできませんので、悪しからず。
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