よく混同されますが、写真を撮るのがうまいというのと、いい写真が撮れるというのは、別です。いい写真を撮れる人が写真がうまいと言われるわけですが、だからといって写真のうまい人が必ずいい写真を撮れるとは限りません。また写真が下手な人がいい写真を撮れないわけでもありません。
だからといって、写真がうまくなくてもいい写真は撮れる!と開き直るのもどうかとは思いますけどね。言ってみれば、うまいというのは楽器の演奏がうまいことに相当し、いい写真というのはいい曲を書けることに相当するということでしょう。ということは、頭の中に浮かんだ絵を、実際の写真にするためには写真撮影のテクニックに長けていなければならないということです。
では何故テクニックに長けてなくとも、いい写真が撮れるのでしょうか?写真の善し悪しは偶然性による割合が非常に高いからです。
例えば、インターバルタイマー付きのカメラを、犬の背中に乗せて、犬に好き勝手走らせます。そうやって撮れた(撮ったではなく)写真の中にもいい写真が存在する可能性はあります。適当にスナップしたフィルムを巻き戻し、再度装填してスナップなりの撮影をする、多重露光の偶然性を利用することもよく行われます。そうやって撮れた偶然の写真に、いい写真があるわけです。
写真が下手な人が撮った(というか撮れてしまった)いい写真というのは、結局はそういう偶然性に頼った産物なわけです。偶然性に頼らない、自分のイメージを求めて撮影をするならば、やはりテクニックは必要ですし、撮影技術のうまさが必要になるわけです。偶然性に頼った写真自体は悪いとは言いませんし、プロで偶然性のみによる写真を追求している方もおられます。それはそれで一つの見識だと思います。
しかし私は自分の頭の中にあるイメージを撮りたいです。そのためには、色々な撮影のテクニックも必要だし、レンズやフィルムの使いこなしも必要です。あなたは偶然に頼りますか?それとも自分の腕で撮りますか?
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