2004年3月22日月曜日

赤飯の謎

昨日は父の誕生日だったので、夕飯には赤飯が出ました。
祝い事があると、赤飯を炊きますが、赤飯の歴史とか由来ははっきりしておらず、何故祝い事には赤飯なのかは謎です。
ただ歴史的にはかなり古いようで、本来は小豆ではなく赤米を混ぜていたという説もあります。

赤飯でポイントとなるのは、
1.蒸し上げる
2.餅米を使う
3.小豆を混ぜる
4.塩を振って食べる
の4点ではないかと思います。


1.ですが、昔は精米しない玄米を蒸して食べていたわけです。釜で炊きあげるというのは、かなり最近のことなので、古い伝統を守るならば、玄米を蒸すというのは普通のことなのでしょう。今でも東南アジアでは、高級料理として蒸した米が出るそうです。
2.ですが、古代米、所謂赤米とか黒米は餅米らしいのです。また1.のように玄米を蒸した状態というのは、硬飯(こわいい・かためし)と呼ばれるようにかなり硬いので、餅米にして食感をよくしようということもあるかと思います。
3.は色を付けることが重要なのかも知れませんが、栄養的な問題もあるような気もします。玄米というのは、栄養的に非常に人間に適した栄養成分を持っており、人間が必要とする栄養素はほぼ全て備えているそうです。足りないのは塩分とアミノ酸なのですが、特に必須アミノ酸のリジンが欠乏します。このリジンは豆類に豊富に含まれており、小豆にも多量に含まれています。つまり、玄米に豆類を混ぜて食べるというのは、栄養的に非常に望ましい状態なわけです。
大豆が珍重されるのも、このリジンを豊富に含んでいることが理由でしょう。大豆ではなく小豆なのは、たぶん小豆は古くから日本で食されていたのに対して、大豆は比較的最近になって日本に入って来たからではないかと思われます。
Googleって見たところ、とあるページによれば、小豆が中国から伝来したのは3〜8世紀ということらしいのですが、同時に大豆が紀元前後とあり大豆の方が古く、記紀の記述と矛盾するんですよね。
小豆は米・麦・稗(粟)・黍と共に五穀として記紀に記述されているのですが、大豆に関する記述が見当たりません。また神事に使われる場合も、起源の古い神事には小豆が使われていて、大豆は節分くらいにした使われていないようです。このことから考えて、小豆の方がかなり古くから日本で栽培されていて、大豆は比較的最近であると思われます。
4.は3.で述べた、足りない栄養素である塩分を補うという意味でしょうね。そのせいか米というのは、塩味が非常に合うのです。日本食の副食に塩辛いものが多いのは、おそらくそのせいです。
ということで、玄米の餅米に小豆を混ぜて蒸し上げ、塩を振って食するというのは、非常に理想的な食事とも言えます。古代の人はきっとこのことを経験的に知っていたのでしょうね。

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