2004年4月24日土曜日

マリス博士の奇想天外な人生

ハヤカワ・ノンフィクション文庫刊 キャリー・マリス著 福岡 伸一 訳
著者のキャリー・B・マリス博士は、1993年にノーベル化学賞を受賞した方です。
かなり異色の化学者・研究者で、まあどれくらい飛んでいる方かは、本書を読めばよく判ります。
ただ博士が変わっているといわれるのは、巻末インタビューで自身を「オネスト(正直)」と評している通り、回りの言うことに流されずに、真の科学者として真実を探求する姿勢が、回りからはそう見えるということのようです。
実際問題、大学や研究所というところでも、真実が必ずしも真にはならず、上に立つ人の面子や思惑、利権などが絡み、嘘がまかり通っているのです。その中で真実を貫こうとすればどうなるかは、社会経験のある方ならお判りになるはずです。
エイズ、オゾンホール、地球温暖化なども、利権の絡んだ嘘であると、博士は主張します。それが嘘かどうかは私の乏しい知識では判断しかねますが、是非本書をお読みになって、あなたご自身で判断をして欲しいと思います。
またこの本を読んでいて思い出したのですが、私が大学時代の時に、友達から「何故実験結果が理論通りになるのか不思議で仕方がない」と訊かれて「実験結果に合わせて理論を作るからだ」と言ったら「あ〜〜!!そうだったのかぁ!!」と。理論とは、実験結果に基づく仮説であり、その仮説を学会の大勢が同意すれば理論として扱われるのです。だから今理論として教科書に載っていることも、何年か後には間違いだったとして別の理論に置き換わる可能性もあります。でもそのことが世の中では理解されていないのですよね。

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