文春文庫刊 火坂 雅志 著
火坂雅志というと、肉体アクションのSFぽい小説が思い浮かぶのですが、近年は本格歴史小説でも活躍されていて、本作などは700ページ以上の大作で、非常に素晴らしい歴史小説です。
主人公は徳川幕府創世期に南光坊天海と共に、家康のブレーンとして活躍した金地院崇伝で、世間ではあまり評判のよくない人です。豊臣家を滅ぼすために方広寺の梵鐘の名文にいちゃもんを付けたので有名なためでしょうね。
しかし37歳で南禅寺の住持(要するにトップ)になり、40歳で家康のブレーンとなるという、当時としては異様な若さでの出世を遂げていることから考えても、異才というに相応しい人だったことは想像に難くありません。
火坂氏が描く崇伝は、非常に魅力的です。700ページが非常に短く感じられました。
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