PHP文庫刊 関 祐二 著
越の国から迎え入れられて、皇統を継いだ継体天皇は謎に満ちた天皇です。まあ古代の天皇はみんな謎に満ちているのですが、応神天皇の5世で田舎の越に住んでいた老人を、わざわざ担ぎ出したという経緯が不明なのです。
前代の武烈天皇に子供がいなかったとはいえ、もっと正統に近い宮家の皇子は他に一杯いたわけですし、ましてや5世まで広げるなら山ほどいたわけです。
また、皇統を継いでから都に入るまでかなり時間が掛かっています。最初は樟葉に住み、都の回りを回るように転居を重ねた後に入京するというのも、わざわざ頼まれて皇統を継いだにしては異様です。
ということで、本書はその謎を解き明かそうという一書ですが、関氏の著書としては珍しく結論があやふやなままです。謎は深まるばかり。
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