学研M文庫刊 森本 繁 著
中世から江戸初期の間、瀬戸内海の支配者として君臨していた、村上水軍の歴史を綴った一書です。
私のご先祖は淡路島の南端にある沼島(ぬしま)に代々住んでおり、母方も広島の鞆の浦と、共に村上水軍の重要拠点だった漁港です。つまり私のご先祖様は、代々村上水軍旗下の海賊だったわけです。このため、以前から村上水軍については興味があったのですが、通常の歴史物語や歴史書には、九鬼水軍や雑賀衆の方が目立ち、村上水軍の方はほとんど記述されることがありません。
そのような中、本書は古文書を紐解き、村上水軍の歴史を忠実にかつ詳細に調べ上げた、貴重な一書と言えましょう。
これを読むと、村上水軍は中国地方の大大名であった大内氏や毛利氏の傘下におり、戦国の敗者側についていたことが多いため、歴史には名を残せなかったようです。
海を支配していたとはいえ、陸の支配者には勝てなかったというところでしょうか。
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