2004年12月26日日曜日

もうひとりの義経 源氏武者列伝

学陽書房文庫刊 火坂 雅志 著
清和源氏の血を引く武者達を主人公にした短編集です。
元は1997年に「源氏無情剣」というタイトルで単行本として発刊されたものです。それの文庫化ということになりますが、2001年に「源氏無情の剣」というタイトルで一度文庫化されており、これは2回目の文庫化ということになります。
タイトルからして、来年のNHK大河ドラマに合わせた刊行でしょうね。
それとは無関係に、本作はこれまで私が読んだ火坂作品の中では、一番の力作のように感じました。この作品を書かれた頃から、アクション物から歴史小説へと傾倒していくようなのですが、アクションを主体としたストーリー展開から、人間の心の奥底の動きを主体とした展開へと、描き方が変わってきているのですが、それが絶妙な筆で的確に描かれています。
今後の氏の作品が楽しみです。

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