集英社文庫刊 童門 冬二 著
芭蕉の「奥の細道」の異伝です。
芭蕉は伊賀上野の出身で、水戸徳川邸の水道工事を請け負ったこともある土木技術者です。当時の技術者は忍び出身の人も多く(忍術というのは、当時の最先端の科学技術であったからです)、伊賀上野出身ということから、芭蕉は公儀の隠密であったのではないかという説もあります。
本作では、当時幕閣に君臨していた柳沢吉保と水戸光圀が、互いに芭蕉は相手の隠密ではないかと疑いを抱き、間者を同行させるという筋書きです。
ベテランの作らしく、一癖も二癖もある筋書きが楽しませてくれました。
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