BMWの直6エンジンの回転のスムーズさを例えて、silky = 絹の滑らかさと、よく言われます。
まあこう言われたのは20年近くも前のことで、その頃はまだエンジンの加工精度や組み付け精度が低く、BMWの精度の高い組み付けが、他のメーカーではできなかった頃の話で、今ではトヨタの方がスムーズということもよく言われますが(笑)
もっとも人間てのは変な感覚を持っていて、スムーズ過ぎると駄目なんですね。人がピストンエンジンを好むのは、トルク脈動という規則的な変動があるからだそうです。ロータリーエンジンはそれがあまり感じられないし、電気モーターもトルク変動は少ないので、回転が上がるに連れて血湧き肉踊る感じがでないんですね。
#電気モーターにトルク変動あるのか?と思う人がいるかも知れませんが、電磁石の曲数による変動があります)
最新のM5、M6に搭載のV10エンジンなどは、Vバンク角が90度ですが、オフセットクランクにはせずに、不等間隔爆発にしてトルク感を出しているとか。
モーターサイクルレースでも、同爆といって、4気筒でも各気筒を180度間隔で点火させるのではなく、同時に2気筒点火にして、不等間隔爆発にしてやって、ライダーがトルク感を感じやすくしているそうです。振動は増えるはずですが、その方がアクセルコントロールがやりやすいのだとか。
そのせいもあるのか、私は6気筒がどうも苦手で、4気筒大好き人間なのです。4気筒のちょっと振動がある感じが好きで、1シリーズもバランサー付きの120iよりも、バランサーのない116iの方が好きだったりします。もっとも、120iと116iの場合は、バランサーの有無以外に、ストロークが違うとか、バルブトロニックかどうかなどの違いもありますけどね。
そうそうBMWの6気筒がシルキーといわれる理由は、組み付け精度の他に、ストロークに対するコンロッドの長さがあります。
ストロークに対してコンロッドが短いと、ストローク中間位置でのコンロッドの傾きが大きくなり、ピストンがシリンダー壁に押しつけられる力が強くなる上に、ピストンの傾きも大きくなってピストンスカートがシリンダー壁に擦ってしまいます。これを嫌って、BMWではストロークに対してコンロッドの長さが長くなるように設計されています。
116iでは、排気量を下げるのにストロークを短くして、ショートストロークになっています。が、ブロックは共通なので、必然的にコンロッドの長さが長くなり、ストローク対コンロッド長の比率は、120iや118iに比べるとよくなるわけです。
私が116iのエンジンが、トルクやパワーは小さいのに、気持ちよく回ると感じたのは、この辺りも原因の一つかも知れません。
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