2006年2月21日火曜日

竹中半兵衛と黒田官兵衛 秀吉に天下を取らせた二人の軍師

PHP文庫刊 嶋津 義忠 著
前半が竹中半兵衛、後半が黒田官兵衛という構成ですが、はっきりとここから黒田官兵衛となるわけではなく、竹中半兵衛の死と共に黒田官兵衛が中心になるという感じです。
どちらも金銭や権力への欲では動かず、己の才覚を試してみたいという考えと「天下は天下の天下、一人の天下に非ず」という信念の元に動いていた、理想を追う異才であったというのが、本書の主旨ではないかと思います。
竹中半兵衛も黒田官兵衛も、その才覚に加えて秀吉や家康に比肩する権力欲があれば、恐らくはどちらかが徳川家康に変わって天下をものにしていたのではないかと思いますが、歴史はそうは動きませんでした。
本書の末尾では、年老いた官兵衛が領民と日々親しく交わっている様子が描かれています。が、未だに福岡市の人達は自分達のことを博多っ子といい、故郷を福岡ではなく博多と呼びます。息子の領国筑前に移ったときに、黒田家の故郷「福岡村」に因み博多の町を福岡と改名しましたが、それから400年以上経った今でも土地の人は福岡ではなく博多と呼びます。果たして黒田の殿様は領民に慕われていたのでしょうか?

竹中半兵衛と黒田官兵衛―秀吉に天下を取らせた二人の軍師


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