30年以上前に書かれた作品だそうですが、内容はあまり古びてはいないと思います。
殺人事件の謎解き−所謂素人探偵物ですが、トリック曝きよりもイエス・キリストの正体についての仮説に主眼が置かれているように思われます。
ストレートにキリストの謎について語るのは憚られるものがあったのか、小説に託けた論文のような感じです。
書かれた時期が古い福音書と新しい福音書の内容を比較し、古い方にあって新しい方にないものにこそ真実が含まれているという洞察は素晴らしいと思います。新しい方で消されているのは、キリスト教を利用しようとしている人達には都合が悪い真実だからだ、というわけです。言われてみれば尤も至極なことです。
その消された事柄から、イエスの謎を解いて行くわけですが...その説の大半が初耳なので、世間の歴史家達からは無視されているのでしょうね。
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