2006年12月20日水曜日
神は沈黙せず〈上・下〉 / 山本 弘
宗教というよりも人類にとって宗教とは何か?を論じている感じがするSF小説です。
昔からある超常現象が起こるのは、この世界が現実ではなく神の造った仮想空間−コンピュータ・シミュレーションだからだ、というのがメインテーマになっています。
が、むしろ大衆の群集心理の浅はかさを皮肉っているような気がします。
「人は信じたいものを信じ、見たいものを見る」
この言葉が繰り返し登場します。そう、世の中のほとんどの人にとって、真実はどうであるかなどはどうでもいいのです。自分が信じていることが全てで、真実は無関係なのです。
現世が現実であると信じたいから、現世は現実なのです。
さて、もう一つのテーマである超常現象です。
我々が信じている物理法則では説明できない事象が、世の中には多くあります。とはいえ誰もが信じられる程多くはありません。超常現象と認識できることに遭遇した人の方が少ない、若しくは遭遇してもそれが超常現象だとは思わない人がほとんどでしょう。
私は今までに2回明らかに超常現象としか思えないものを見たことがあります。それが何かを書いても信じて貰えないのは明らかなので書きませんが、最初の時は周りにした数人の友達も目撃しているので、錯覚とか見間違いではありません。
故に超常現象と呼ばれる不可思議なことが世の中に存在することは知っています。何故そんなものが存在するのかは判りません。ただ「ある」という事実のみを認識しているだけです。
物理法則を超える現象が発生するのは何故か?を求めた結果、「現世は現実ではなく、コンピュータ・シミュレーションだ」という結論に至ったという小説が、10年程前から出始めて来ていますね。日本でも大ヒットして映画にもなった「リング」「らせん」などや、世界的なムーブメントを引き起こしたマトリックスなどです。
でもそういうのもちょっと短絡的かなと思うのです。我々が知っている物理法則など、真の物理法則からすると極々初歩の段階のもののようなのではないかと。超ひも理論というのがありますが、それが解明されたら、意外とあっさりと超常現象が解決するのかも知れません。
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