2007年2月9日金曜日
ひとりっ子 / グレッグ・イーガン
Singletonを「ひとりっ子」って訳すかなぁ。内容的には全くの意味違いということもないですが。「多元宇宙に支配されない唯一独立した存在」を「ひとりっ子」というのは安易すぎる。
現代SF作家のトップと言っていいグレッグ・イーガンの短編集です。日本では3冊目の短編集ですね。内容が結構難解なので、翻訳がかなり難しいのでしょうけど、イーガンの小説はなかなか頭に入ってこないことが多いです。基本的なアイデアは面白いと思いますし、それ故に訳書はほとんど買って読んでるのですが。
本作は、多元宇宙や機械が魂を持てるか?とか難解なテーマが集まっています。
多元宇宙論というと「もしあの時〜〜だったら」という分岐点から、別々の宇宙が発生して、似たようだけどちょっとづつ異なる宇宙が多数存在する、というものですね。
でも私はこの考え方にはあまり賛同できません。
量子力学では、同時並行な宇宙が存在していると仮定すると、説明が色々とうまく付く現象が存在するので、そういう意味では並行宇宙の存在はあり得るかも知れないと思います。
でもね、分岐して違う宇宙になってしまったら、量子論の説明での並行宇宙ではなくなってしまうんですよ。それに分岐してドンドン並行宇宙が増えていくということは、最初は1つだったということで、ということはビッグバンが始まった時には量子論は成り立たなかったってことになりますから。
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