2007年2月7日水曜日

明智光秀(上・中・下) / 桜田 晋也



明智光秀の生涯を描いた長編です。上中下3巻読むのに2週間程掛かってしまいました。
作者はかなり信長や秀吉が嫌いらしく、特に後半は光秀に関する記述よりも、信長への悪言罵倒が主になります。
明智光秀に関しての話の大半は、秀吉が自分と信長を立派に見せるために事実を大幅に改竄して、主殺しの大逆人に仕立て上げたもので、実際の光秀は非常に高潔で立派な武将であったとひたすら褒め称えています。
ちょっと行き過ぎの感もありますけど、光秀が領していた近江や丹波では、今でも光秀を称えているのも事実ですので、民衆に慕われていた領主であったことは間違いないようです。
反面、本能寺の変の後、光秀は源氏の嫡流−土岐明智の正統として、征夷大将軍に任じられていた形跡があるにも関わらず、味方をする武将がほとんどいなかったことは、ここに描かれている高潔な人物像からするとちょっと不思議になります。


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