氏はポルシェ、GM、ピニンファリーナを渡り歩いた、世界でもトップクラスのインダストリアル・デザイナーです。最新のマセラティ クアトロポルテやエンツォなども、氏がディレクターとして全面的にデザインした作品だそうです。
本書では主にイタリア社会やイタリア人気質について述べられています。ドイツやアメリカの話が少ないのは、イタリア人に比べるとあまり面白みのある話がないからでしょうね。
それとは別に、本書で一番私が気になったのは、タイトルにもある鉄瓶です。
山形で独自に発達した「薄肉鋳造」という精密鋳造技術があるのだそうですが、その技術によって製作された「繭」という丸形の鉄瓶は、他所では絶対にコピー商品が作れないのだそうです。形からして砂型鋳造でしか製造できないのですが、同じように薄く作ることは他所では不可能なためだからだとか。
その技術でエンジンブロック鋳造すれば、鉄ブロックでもアルミブロック並に軽量でより頑丈なものができるのではないかと。
それはさておき、昔々とある人から古いクルマの部品が欲しいときは
「イギリスなら作ってくれる。イタリアなら盗んできてくれる」
というジョークを聞いたことがあるのですが、どうも本書を読むとこれジョークではないようです。
その割には中国や韓国みたいにブランド物の横流しはないみたいだけど...。
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