今月(というかもうすぐ新刊が出るから先月か)のモーターファン・イラストレーテッドは、ボディについての特集です。
クルマのボディ製造時には、プレスした鉄板を溶接して繋ぎ合わせているのは皆さんご存じだと思います。市販車ベースのレースカーやチューンドでは、ボディ強化のために「スポット増し」というのを施すことも、割とよく知られていると思います。
でも実はこのスポット増しが有効なのは、日本車だけみたいです。というのも、日本のメーカーはスポット溶接一辺倒で、他の溶接方法はあまり(10%未満)使っていません。なので、スポット溶接箇所を増やすことは、ボディ強化に有効です。
対して欧州メーカーは、スポット溶接は溶接箇所全体の3〜6割程度しか使っておらず、後はレーザー溶接やアーク溶接、攪拌摩擦溶接などの線溶接が中心になりつつあります。
#まあ最近高級車ではアルミボディにすることが増えてきていて、こちらの場合は接着剤による面での接続が中心ですね。
また先々月のコラムで、「欧州車はホワイトボディを寝かせているらしい」とSTIの方がインタビューで答えているのをご紹介しましたが、BMWは実際そうしているみたいです。
どの雑誌だったか忘れてしまいましたが、以前BMWの工場紹介記事があって、その中にホワイトボディの保管倉庫が出てくるのです。これを見たときには「何でボディ製造ラインが塗装ラインと直結していないんだ?何で組み立てラインと直結していないんだ?」と不思議に思いました。
巨大な倉庫でホワイトボディを保管管理していて、どう見ても溶接後に寝かせているとしか思えないのです。まあ溶接後の強度回復以外に何か理由があってやっていることなのかも知れませんけど。
そういえば、20年程前のCGにフェラーリの工場見学記事があって、山のように積まれたエンジンブロックを見てびっくりした覚えがあります。製造台数から考えて数ヶ月分以上のブロックの山。その頃の欧州メーカーは、不良品の鋳物が工場のそこら中に放置されているという噂もありましたので、それかもしれませんが...鋳造したブロックを枯らしているという可能性も高いんですよね。
今の製造技術ならそういうことまでしなくとも十分に精度は出せます。でもそういうユーザーにはまず判らない所まで、きちんとこだわってこそ高級車なのでしょう。
レクサスが高級車ではなく、高級感の高い大衆車にしかなれないのは、こういうところが違うからなのかも。
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