2007年9月24日月曜日

【D3コラム】 フルサイズ(FX) VS APS-C(DX) その2

センサーの性能にのみ着目すれば、APS-Cや3/4などの小型サイズよりも大型サイズの方が性能的には有利です。
同じ画素数であれば、1画素当たりの面積が大きくなり、面積が大きい程に高感度、広ダイナミックレンジ、低ノイズになりますから。1画素当たりの面積が同じであればトータルの画素数が多くなり、印刷などの最終出力のサイズが同じ時は、元画素数の多い方が階調が豊かで滑らかな画像になります。
D3は1210万画素とD300の1230万画素よりも有効画素数が少なくなっていますが、画素ピッチは8.45μmとD300の5.5μmの約1.54倍になっており、これから画素面積は2.3倍程大きいことが判ります。
このお陰で、D3はISO6400でも十分に実用になるくらいに低ノイズかつ広ダイナミックレンジを実現しているようです。D2Xでも約12EVという広いダイナミックレンジを実現しており、それを遙かに凌駕するようですので、Fuji S3/S5 Proの約14EVとも15EVともいわれるダイナミックレンジに匹敵するかも知れません。
#もしそうなったら、S5Proもお払い箱だぁ〜。
#D2Hは当然下取りに出す予定ですが。




D3の画素数があまり多くないのは、もう一つにはその1に書いた分割露光の時の分止まりから画素ピッチをあまり小さくできなかった、という技術的なものがあるのではないかと思われます。実際キヤノンでは1Dsが有効画素1110万画素ですし、5Dも有効画素1280万画素ですから、初めて量産するには、この程度の画素ピッチが適当ということなのではないかと思います。下手に画素ピッチを小さくして総画素数を多くしても、分止まりが悪くなって価格が高くなることをニコンは避けたのでしょう。
実際、D2Xが発売時には50万円前後の販売価格でした。D3は現在予約価格55万円前後のようですので、センサーの大型化によるコストアップは最小限と言ってよいと思います。D1 MarkIINが45万円前後に対してD1s MarkIIが75万円前後と30万円の価格差があるわけですから、実際にユーザーが購入できるギリギリの価格を、ニコンは目指して実現したと言ってよいでしょう。
とはいえD300の予約価格が21万円程度なので、これと比べるとFXとDXの価格差は35万円程あることになりますけどね。D1 MarkIINとD1s MarkIIは同じボディベースを使用していますけど、D3とD300ではボディベースが全く違いますので、ボディベースの違いで大半のコストアップ要因になっていると思います。センサーが大型化すると、シャッターが大型化し、ミラーが大型化し、ファインダー光学系が大型化し、とコストアップ要因は多岐に渡りますから、仕方がないのでしょうね。
その価格差を埋められる程、高感度、広ダイナミックレンジ、低ノイズ性能が必要になるかといえば、一般の人にはたぶん必要ないでしょう。だからニコンはこれからもDXは作り続けることになるでしょう。
でも世の中には1割の性能アップを、価格が倍になっても欲しい、という用途があるのです。
それはさておき、その3でフォーマットサイズとレンズとの関係を書きたいと思います。

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