2007年12月23日日曜日
ワープする宇宙 / リサ・ランドール
原題は"Warped Passages"で、正確には「湾曲した通路」という意味になります。
日本で「ワープ」というと、宇宙大作戦(Star Trek)や宇宙戦艦ヤマトで宇宙空間を瞬間移動することを思い浮かべてしまうので、このタイトルだと宇宙空間自体が瞬間移動しているような印象を与えてしまいますね。或いはそれが出版社の狙いなのかも知れませんけど。
著者は元々は超ひも理論には懐疑的な立場の物理学者で、5次元時空間を導入することで超ひも理論では未解決だった問題が解決できることを発見し、一躍大統一論の主流になられた方です。
まあ、こういう問題は私には読んでいて結局よくわかりませんでした。というか、そもそもここに書かれていることは(超ひも理論も同様ですが)、あくまで仮説であって、実際にそうかどうかは今後の実験次第というところです。
繰り返し出てくるのですが、現在CERNが大型ハドロン加速器(LHC)を建設中で、そこでの実験結果が出てからでないと、単なる妄想で終わってしまうのですよね。もっとも超ひも理論は、それが正しいことをどういう実験を行えば確認できるかすら判っていないそうなので、LHCによって正しいか正しくないかが確認できるはずの、ランドール博士の仮説は超ひも理論よりは現実に近い位置になると言えるのかも知れません。
まあ残念なのは、この理論が正しいということが証明されると、たぶんStar Trekのワープは実現不可能ということになるらしいことですか。
本書のどこにもこういうことは書いていませんが、私がなんとか解釈できた範囲で考えれば、たぶんそうかなと。
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