2009年1月18日日曜日

超ひも理論を疑う - 「見えない次元」はどこまで物理学か? / ローレンス・M・クラウス



現代物理学では、素粒子間に働く力は、
・電磁力
・重力
・強い力
・弱い力
の4つで、この内の重力を除く3つまでは、理論として統一することができています。
残りの重力も統一することが、大きな課題になっています。


その大統一論のために考え出されたのが、ひも理論、M理論、超ひも理論などです。
しかしこれらの23次元とか10次元とか11次元の理論の欠点は、理論が正しいかどうかを実験で確かめる方法が存在しないことで、それ故これらの理論は「理論ですらない」とも言われています。
著者は基本的にひも理論に反対の立場だそうで、本書ではこれらの理論やリサ・ランドール博士のブレーン理論についての問題点を、理性的に解説してくれています。
一番面白かったのは、物理学者の間で問題になっていることに、この宇宙の仕組みが今のようになっているのは、必然か?偶然か?なんだそうで。
ひも理論にしてもブレーン理論にしても、数学的には無限に近い数の宇宙の姿が導き出されるのだそうです。その中で我々の宇宙に適合するのものは唯一つしかないわけですが、無数にある中の一つになった理由は何か?この組み合わせでなければ宇宙は形成できないのか、或いは異なる物理法則に支配される宇宙が無数にあるのか、などなど。
私はそんなのたまたまってことでええやん、と思うのですが、厳密を旨とする物理学者はそういう風に考えるわけにはいかないようです。

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