2011年3月7日月曜日

iOSとAndroidの一騎打ち状態になるも、ARMの一人勝ちは変わらず

Nokiaは結局Symbianを諦め、Intelと進めていたMeeGoも取り止め、MSとWindowsPhoneを共同開発する道を選びました。Androidでは他メーカーと差別化できないという理由で、WindowsPhoneを選んだそうですが、それが果たして吉と出るか。
長年掛けて開発し育ててきたSymbianOSをあっさりと捨ててしまうというのは、大英断だと思います。日本のメーカーがNokiaの立場にいたら、絶対にできなかったでしょうね。SymbianOSとアプリの膨大なソースをあっさりと捨て去るというのは、欧米のメーカーは割とできる企業がありますが、日本の場合は「ソースコードは企業の大切な資産」なので、捨てるに捨てられないのですね。
なら何故Nokiaがそれを捨てることができたのか?それは恐らく、Googleが自社開発したプログラムのソースコードを無償で公開しているのと同じ理由ではないかと思います。
「一番大切な資産はソースコードを生み出せる技術者である」
Googleがそう公言しているわけではなりませんが、彼らのやり方を見ていると、恐らくこういう考え方だと思います。
「ソースコードなど、優秀な技術者がいれば、いくらでも新たに作り出せる」
「ソースコードを改良し、より進化させられる技術者がいなければ、どんなに多くのソースコードを持っていても役に立たない」

日本のメーカーは、ソースコードだけが大事で、それを生み出す技術者なんかは使い捨てになっていると思います。昔は人材こそ企業の財産という考え方もありましたが、バブル以来「技術者なんか金でいくらでも雇える」という考え方になってしまっていると思います。まあMSがソースコードをClosedにして、ライセンス料で莫大な利益を上げているから、余計に「ソースコードを握っていれば金になる」という勘違いをするのでしょうけど。
ソースコードをClosedにしている、MSやAppleは、ソースコードも大切な資産として扱っていますが、技術者もそれ以上に大切な資産として扱っています。いくらソースコードを持っていても、それを扱える技術者がいなければ役に立たないことを知っているからですね。

それはさておき、この数ヶ月の間に、携帯端末(含むタブレット端末)のOSは一気に、iOSとAndroidの一騎打ち状態になってしまいました。
Intelは、MeeGoというLinuxベースの携帯端末向けOSの開発を進め、これにより自社のCPUを携帯端末に採用して貰おうと画策していたのですが、Nokiaがそのプロジェクトをキャンセルしたために頓挫。別途進めていたAndroidのx86対応に注力する羽目になったようです。
Googleもx86へのポーティングに協力はしているようですが、実際にはアプリ開発をJavaではなくC++で作成するためのNDKと呼ばれる開発キットを改良し、動作速度が高速であることが必要なゲームアプリの開発はC++で行うことを推奨しています。
C++で開発されたアプリは、CPUが限定されたものになってしまいますので、ARM以外では動かないということになります。つまりIntelはAndroidアプリ開発の段階で、締め出しを食らってしまっているのです。まあNDKに、複数のCPUに対応したアプリが生成されるような機能を持たせればいいのでしょうけど、只でさえ動作試験に時間の掛かるゲームアプリの開発者が、複数のCPUに対応させてリリースするということをしてくれるかどうか。

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