2011年4月25日月曜日

大賀さんがSONYの社長でなかったらWalkmanは世に出なかった

訃報が続きますね。
音大を卒業されてオペラ歌手になるはずだったのが、SONYへ入社して、社長や会長にまで出世された、正に異色の経営者。技術者集団のSONYを芸術家がまとめ上げていたわけで。あの頃のSONYが世界で最も進歩的な製品を出し続けられたのは、偏に大賀さんのセンスによると言えましょう。
上司に内緒で試作したWalkmanの原型を、大賀氏に怒られるのを承知で見せに行ったら、大賀氏はその場ですぐに改良点を矢継ぎ早に指示して、正式にプロジェクトとして開発を命じた、というのは有名な話ですね。普通に技術者出身の経営者だったら、「こんなもの誰が買うんだ!」と怒鳴りつけて終わりだったでしょう。かくいう私も、当時高校生くらいでしたが、「????」な反応でしたね。
(WikipediaではWalkmanは盛田氏の発案ということになってるなぁ...こういう伝説は色々とあるけど、どれが本当かは実のところよく判りませんね)

今だと、AppleのSteve Jobsが、卓越したアイデアを実現化する天才経営者として語られていますが、当時は大賀氏が同じような評価を受けていたと思います。
まあこういう異色の人材が、経営者になれる大手企業は、当時はSONYくらいしかなかったし、今だとそのSONYからでもこういう人が再び頭角を現すことができるのかどうか。

今回の震災で、日本の様々な企業が世界中のメーカーの生命線を握っていることが判明しましたが、最終製品となるとどうでしょう?
大賀さんのような型破りな経営者が出てくる環境が、今の日本にあるとは思えない。しかし、出て来れる環境がなければ、日本の企業は韓国や中国に追い落とされるだけになるでしょう。

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