2011年10月26日水曜日

【D3S】単層コートのBiometar F2.8./80mmを付けてみる - 魔法のレンズ

Biometar(ビオメター/ビオメタール)は、東独Carl Zeiss Jenaにおいて、1950年代に中判用レンズとして開発された80mmと120mmに付けられている名称です。
Planarに相当する位置付けにあるのですが、対称ガウス構成ではなく、前群がPlanar構成、後群がSonnar構成という不思議な構成のレンズなのです。
発売した頃に80mmがブロニカにも供給されたこともあり、アサヒカメラでテストが行われたことがあります。
その当時としては、かなりの高性能で、高い物理性能を示していました。

発売当時は単層コートでしたが、80年代以降にマルチコートになったタイプも、80mm、120mm共に発売されています。
更に、東西統一後に、PENTACON公社の工場がSchneidar傘下になり、EXAKTA66用レンズとして、80mmがSchneidar風の外装を纏って発売されていました。この時は、Carl Zeiss Jenaブランドだけでなく、Schneidar、EXAKTAブランドでも同じレンズを発売していました。

私は、単層コートで白黒縞模様(ゼブラ)の外装のもの、マルチコードの黒外装のもの、マルチコードの灰と青の外装のものの、3種類とも持っているくらい、このBiometarが気に入っています。
特に単層コートのものは、当たりの個体と思われ、ピントが合った箇所のシャープさが、際立っています。
以前、別の単層コートゼブラのを持っていましたが、それは今持っているものほどはシャープではなかったので、個体差だと思います。
新しいマルチコートの2本よりも、ピントが合ったところがはっきりと紙一枚分が浮かび出るくらいの、シャープさを持っています。

まあ単層コートなので、カラーバランスがイマイチなのと、フレアが若干あって、光線によっては黒が浮き気味になりますが。

D3Sにアダプタで装着して撮影してみたのですが、 Biometarの特徴が失われずに撮れたので、非常に幸せです。
単層コートのは、カラーバランスが悪いだけでなく、色収差があるみたいなのですが、それが女性の肌を非常に美しく映してくれるのです。
しかし、髪の毛やアクセサリー類のシャープさと質感はしっかり出してくれて、昔から「まるで魔法のレンズだ」とよくいっています。

ということで、作例を1枚。

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