2012年2月4日土曜日
風魔 / 宮本昌孝
先日読んだ剣豪将軍 義輝や海王よりも、こちらの方が先に発刊されていますが、私は剣豪将軍が宮本作品を知ったのが最初なので順序が逆になりました。まあ剣豪将軍や海王の文庫版が人気だったから、何カ所かの書店でこの風魔も一緒に並べて置かれるようになって知ったので、てっきり本作が後からの発刊と勘違いsたくらいですし。
風魔忍者の実態は、当然陰の存在ですから史料などろくに残っているわけもなく、実際の風魔の小太郎がこのような人物であったかどうかは定かではありません。
現代の漫画で主人公として頻繁に取り上げられ、風魔忍者とその首領の小太郎の名前は有名なわけで、陰の存在でありながらその名が広く知られているという事実は、それだけ戦国時代において重要な存在であったことを示していると思います。
扇谷上杉家と山内上杉家の、関東管領の地位争いは、山内上杉家が長尾景虎(後の上杉謙信)に上杉の名跡と関東管領の地位を譲り渡したことで有名ですが、その上にいたはずの関東公方の事跡がどの物語にも出てこず、不思議に思っていましたが、本作を読んで氷解しました。
加えて、何故早雲が北条を名乗るようになったかも。
更に服部半蔵率いる伊賀忍軍と柳生忍軍の関係も、本作を読んで納得できました。
宮本氏の作品は、緻密な史料と調査に裏打ちされており、非常に為になります。
風魔(中) (祥伝社文庫)
風魔(下) (祥伝社文庫)
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