PENTACON公社が威信をかけて製作したPENTACON Super専用レンズです。
当時、標準焦点域でF1.4というのは、西側Carl ZeissがContarexに開発したF1.4/55mmくらいしかありませんでしたので、かなりの大口径レンズだったといえます。
このレンズは何故かガラスが結構濃い黄色になっており、カラーフィルムで撮影すると真っ黄色になります。
放射性物質を含んだガラスを使用していて、そのせいでガラスが黄化しているのではないか、という噂もありますが、私がこのレンズを入手した10年前から、特に黄色が濃くなったということもないので、元からこういう色だったのではないかという気がします。
またこの黄色の具合が、モノクロ撮影時にコントラストを上げるために使用するイエローフィルターにそっくりなので、カラーがまだほとんど普及していなかった共産圏向けに、モノクロ専用と割り切って高性能化を優先していたのかも知れません。
デジタル時代になり、更に優秀なRAW現像ソフトが登場したことで、この黄色に偏った色も完全に補正することが可能になりました。
NEX-5NのJPEG出力と、RAW現像して色補正したものの比較がこれですが、完全に補正されて普通の色にできています。
最短が39cmと結構短く、最短で撮影するとブワっと暈けてくれます。
ピント箇所のシャープさは差ほど高くありませんが、柔らかいボケはポートレートに向いていると思います。
Pancolar F1.4/55mの作例はこちらから
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