2012年9月24日月曜日

スワロウテイル序章 人工処女受胎 / 藤真千歳



日経新聞の書評でスワロウテイルの新刊発売を知ることになるとは。
スワロウテイルもシリーズ3作目です。
日本SF界に取って、一つの節目的な作品という立場を確立したのではないかと思います。
作者が後書きで、かなり謙遜したことを書かれていますが、私的には漱石の文庫本3冊買うよりも、スワロウテイル1冊買った方が楽しい思いができるぞ!と断言します。

シリーズ中で、度々、鏡子が揚羽に事の本質を(かなりの毒舌な調子ながら)極めて的確に丁重に解説する場面があるのですが、その論は感覚として判っているけど言葉にできなかったモヤモヤを解消してくれ、「そう!そうなんだよ!」と叫びたくなるものばかりです。
人工生命を通じて、我々の生とは何かを真剣に考えさせられる小説です。

SFが好きでなくとも、人生ってなんだろうと悩んでいる方は、是非ご一読を。
あ、できればシリーズの刊行順に読まれた方が判りやすくてよいです。

0 件のコメント:

コメントを投稿