2012年11月7日水曜日

戦国鬼譚 惨 / 伊東潤



精鋭を誇った武田家は、信玄の死後、勝頼の代になって、一気に滅亡へと進んでいくわけですが、その滅亡へ至る過程を、武田傘下の武将達を描くことによって語った短編集です。
伊東氏の作品は初めて読みますが、緻密な語り口で精密な文章を書かれる方ですね。

武田信玄に恩顧を感じていた国人衆達が、何故にあっさりと勝頼を離れ信長に靡いたのか。
これを読むとそれがよく判ります。
あまりにも偉大な信玄と、極めて凡人な勝頼と、比べること自体が愚かですが。
何よりも、武田家の家督を継いだのは信玄の孫の信勝で、勝頼はその後見人という立場に過ぎなかったことが大きいのかも知れません。

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