韓国と日本で領土問題となっている竹島を題材にした小説です。
そもそもは、江戸時代に(旧)竹島(鬱陵島)の帰属争いがあり、その時に幕府は朝鮮領であることを認めています。
が、その東にある松島を、その後に竹島と改名してしまったせいで、「竹島(松島)は朝鮮領だった」と主張されてしまってるんですよね。
本作には、松島が竹島と改名される経緯の前の段階までしか記されていないのですが、朝鮮が鬱陵島を自国領と主張し、幕府もそれを認めた経緯については詳細に記されています。
本作では、鬱陵島は古代には于山(ウザン)国という国があり、新羅が于山国を攻めたときに、倭国へ逃れて来た人々が宇佐(ウサ)に辿り着いて、倭国の神話の元になったという説を唱えています。
あり得ない話ではありますが...于山国が新羅に服属させられたのが512年、宇佐神宮の社歴では「御祭神である八幡大神さまは応神天皇のご神霊で、571年(欽明天皇の時代)に初めて宇佐の地に ご示顕になったといわれます。」とあるので、その間60年間のズレがあるのをどう説明すべきかという問題は残ると思います。
まあ、512年に新羅に服属したというのは、1145年に編纂された『三国史記』なので、年代の正確さが信頼できるか?という問題もあると思いますが。
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