柳生大作戦(下) (講談社文庫)
本書が文庫本として刊行された時に、奥付けの著者作品一覧に柳生大戦争 (講談社文庫)
単行本で刊行された時は「石田三成(ソクチョンサムスン)」だったのを「柳生大作戦」改題したということで、徳川家康 トクチョンカガン (実業之日本社文庫)
というか元々の「石田三成(ソクチョンサムスン)」がそもそも内容に相応しくないですね。
ネタばれになってしまいますが、石田三成の先祖が百済人という設定になっていて、それで題名を朝鮮語読みにしたのかと思いますが、現代/近代の朝鮮語と百済語は全然別の言語で、「石田三成」を「ソクチョンサムスン」と読むのは設定的に不自然です。
たぶん、それに気が付かれて題名を代え、加筆修正されたんだと邪推しますが。
ストーリー的にも、石田三成よりも柳生一族の方がより比重が高く置かれているので、改題により内容に相応しいものになっていると思います。
話が、天智天皇の終わりの時代と桃山時代の終わりの話が並列的に入れ替わり進められます。
何故そういう進め方なのかは読んで戴くとして、こういう視点は非常に面白いですね。
天智天皇までの親百済派から天武天皇以降の親新羅派への転換は、昔から一体どういう経緯でそうなったのか疑問に思っているところで、天武天皇の正体が一体何なのかと合わせて色々と推測はするのですが、親新羅派で皇位を狙える人というのがいないんですよね。
本書では記紀通り実弟としてますが...井沢氏の指摘するとおり記紀では天武天皇の生年が不詳という重大な謎があって、実弟だったら絶対にあり得ないんですよね。
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