2013年11月3日日曜日
炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学 / 夏井睦
人類を滅ぼすってどういうことかなと、目次をパラパラと見渡したところ、パンダが笹を食べていることについての章があって、それに興味があったので買ってみました。
実はパンダは元々は肉食獣(腸の長さが肉食獣並に短いことと、化石の研究結果から判明している)だったというのは、かなり昔に聞いて知っていたのですが、以来その肉食獣が何故笹の葉という栄養素の少ないものだけを食べて生きていけるのか、不思議で不思議で仕方がなかったのです。
一応、笹の葉で生きていける原理というか理由に関しては、パンダの腸内細菌が笹の葉を醱酵して各種アミノ酸などに変換し、それを吸収することで生きていっているということで、納得はできました。
が、じゃあ何故そういう腸内細菌がパンダの腸に入り込んだのか、肉食を止めて笹の葉食に転向したのは何故か、については、残念ながら著者の憶測が書かれているだけでした。
とある日本人女性で青汁だけで何年も生きておられる方の話が紹介されており、病気のため絶食状態で餓死寸前のところを青汁を飲んで、以来青汁を各種アミノ酸に醱酵変換する細菌が腸内細菌として住み着いて、そのお陰で生きておられるのではないかという推測を書かれておられます。
それと同じことが、昔々のパンダにも起こったのではないかと。
あり得なくはないとも思いますが、雑食性で元々植物性繊維も取っている人間と、肉食のパンダに同じことが起こるかどうか。
笹の葉を常食している草食動物を餌にしていて、その腸内の消化済み(かつ笹の葉を醱酵する腸内細菌付き)の笹の葉も、肉と一緒に食べていて既に腸内に細菌が住み着いていたのであれば、起こるかと思いますが...でもパンダ以外に笹の葉を常食にする動物などはいないですよねぇ。
本書の話ではないですが、アフリカのライオンはシマウマを狩って最初に食べるのは、腸の中の消化済みの草だとという話を聞いたことがあって、それを考えたら将来的にシマウマが激減したらライオンは草を食べて生きていくようになるかもと思ってしまいます。
ウサギが糞食する理由も本書で理解できました。
まあ何となく一度で消化し切れない草を、もう一回食べて消化しなおすんだろうなと思っていましたが、まあ大体そんなところで、一回目の糞は腸内醱酵されたアミノ酸が腸での吸収がされる前に排泄されてしまい、糞が栄養満点状態になっているからだそうです。
それはさておき、本書の本題は炭水化物を主にした穀物が、現代人類の食の中心になっていますが、これが生物学的に不自然で、そのために色々な病気や不調が人体に発生するのだという説を唱えられています。
穀物生産があればこそ、人類の文明文化発展ができたことも認めておられるのですが、穀物農業による地球大地の疲労など様々な問題が発生しており、近い内に穀物農業が壊滅状態になることを予想されてもいます。
では何を食べていけばいいのかというと、ハエのウジを衛生的に飼育して、アミノ酸の粉末にして食べることを提唱されています。
ハエはともかくとして、昆虫を将来の食料にしようというアイデアは外でも提唱されていますから、悪いアイデアではないと思いますけど。
個人的にはミドリムシの方がいいな。
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