2014年8月22日金曜日

実伝 石田三成 / 火坂雅志



火坂氏が編集する実伝シリーズも4巻目になります。
今回は石田三成の巻。
「三成」は今まで「みつなり」と読むものだと思っていたのですが、「かずなり」が正しいのだとか。
これまでのTVドラマなどは全部間違った呼び方をしていたということになりますね。
#というか、なんでこれで「かずなり」と読めるのかの方が不思議だけど。

一般的に石田三成というと、冷徹な官僚主義者という見方が多いのですが、その反面で豊臣家への無私の忠臣であったり、大谷善継や直江兼続との友情や、島左近を破格の禄で雇ったりなど、情に深い面も数々見せているのです。
その辺りのバランスが、周りとはうまく取れていなくて、武功派と呼ばれる人達の恨みを買ってしまった。
本書も主にその辺りについてのことが話題になっています。

才気溢れる故に秀吉に重用され、またそれに期待以上の働きを示す故に更に秀吉は三成を頼る。
本書を読むと、三成が豊臣政権でこれ程までに働き詰めだったのかと驚かされます。
当時の人の移動速度を考えると、これだけあちらこちらに出没しているということだけでも信じがたい。
が、ちゃんとした資料に残された記録なので、人外な働きは事実なのでしょう。

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