2014年10月29日水曜日

梅干しと日本刀 & 続・梅干しと日本刀 / 樋口清之





続編と共に名著の復刊です。
文庫本を読んでたと思ったんですが、目次を見てみると覚えが全くなくて、こりゃ読んだと思い込んで読んでなかったかな、と続編と一緒に買いました。
続編は間違いなく読んでなかったので。
結局、どちらも読んでなかったのですが...何で読んだと思い込んだんだろう?

昔の日本人の経験に基づく知恵というのが、いかに優れた者かを延々と説かれています。
迷信と思われていることが、現代科学の視点から見ると非常に理に叶ったものだったことが判ります。
ただ、多くの迷信が本当に迷信かと疑い調べている方が、竹の花が咲くと飢饉になるというのはあっさりと迷信だと切り捨てているのが解せんのですよね。
(半村良氏作の妖星伝で、竹の花が咲く->竹の実が成る->それを野鼠が食べて大繁殖->作物を荒らす->飢饉になる、という流れの説明がありますので、これも迷信と切り捨てるわけにはいかないものなんですわ)

注目すべきは、津波に対する備えに関して、日本中の海岸で西洋式の防波堤を築いていることに対して、警告を発せられています。
古来の日本の津波対策について述べられているのですが、西洋式は予想を超えた津波には抵抗力がないが、日本古来の対策は予想を超えた津波にも効果的であると。
東北大地震の時に、このことは証明されてしまいました。
本書は昭和49年(1974年)に刊行されていることを考えると、先見の明に満ちていると言っても過言ではないですね。

日本古来の文化の妙を、是非本書で楽しんでください。

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