2015年2月11日水曜日
私たちは今でも進化しているのか? / マーリーン・ズック
生物が進化するのには何十万年〜百万年という長さが必要なように思われているますが、実際には数千年単位でも進化するし、昆虫のような寿命が短く代替わりの速い場合は数十年で進化する例が出ています。
大人になっても乳糖分解酵素の分泌が続き、牛乳を飲んで栄養にできるのは、ほんの数千年程度で人類に起こった進化の一例だそうで。
本書ではそういう例をあげ、パレオ主義(日本では炭水化物を食べずにダイエットするというのが、この主義の流れを汲んでる)の主張を否定しています。
パレオ主義というのは、1万年以上前の原始人の生活に沿って生きることで、病気(特に癌)にならず健康的でいつまでも若々しく長生きできる、という主張なんですが...そもそも1万年前の人類が健康的で長寿命だという根拠はどこから来たんだよ(笑
癌は歳を取ると発症しやすくなるので、癌になりたくなければなる前に死ぬのが一番でしょ(爆
農業の発達により、人類は穀物のデンプン質を主な栄養源とするようになったというけど、縄文時代の日本人はドングリや木の実を主食にしていたことが判っているし、本書でも原始人が植物の根や木の実からデンプン質を大量に食べていたことが示されています。
肉だけ食べていたなんてのは、完全な妄想です。
まあだからといって炭水化物だけ食べていればいいってもんじゃないのも当たり前で。
要はキチンとバランスのよい食事と運動が必要ってことですよね。
また本書では、人類が走ることが得意であるという話が出ています。
え?と思うのですが、人類の走る速度は哺乳類の中でも遅い方ですからね。
が、得意なのは短距離のスプリント走ではなく、長距離のマラソンだそうで、マラソンのような何十kmも走り続けられる生物は人類だけだそうです。
確かに、明治時代に日本在住の西洋人が、30km程離れた場所へ行くのに、馬で行った(しかも途中で1回馬を乗り換えている)時と、人力車(途中で乗り換えなしの一人の車夫)で行った場合で、掛かった時間に差がないことに驚いていた話を聞いたことあります。
また、今でもマラソン大会というと1万人くらいの人が参加しており、多くの人が完走しています。
ランニングは身体中の筋肉をまんべんなく使うので、スポーツ選手が必ずランニングを行うのは、持久力を養うだけでなく、鍛えてない筋肉がないようにするためという話も聞いたことがあります。
なので人類が長距離走を行うために進化したというのは納得できるんですよね。
2本足で走るのは長距離で走るためと考えれば、他のデメリットがありながらわざわざ2本足で歩くようになった理由も付く気がするし。
登録:
コメントの投稿 (Atom)
0 件のコメント:
コメントを投稿