2015年5月12日火曜日

美鋼変幻 ―「たたら製鉄」と日本人 / 黒滝 哲哉



先日読んだ書で、たたら製鉄の素晴らしさを改めて認識したので、更に詳しく知りたくなって、本書を見つけて買ってみました。
たたら製鉄が生み出す玉鋼は、西洋式の溶鉱炉から生まれる鉄と異なり、硫黄や珪素が少ない純度の高いのが利点です。
珪素が多いと脆くなり、日本刀特有の折り返し鍛造ができないのだそうです。
なので、溶鉱炉の鉄では日本刀は作れないと。
よって日本刀という日本特有の文化を守ろうとすると、たたら製鉄を続ける必要があるわけ。

が、そのために大量の照葉樹林が必要になるという欠点があることも判りました。
なので、大量にたたら製鉄を行うわけにもいかないようです。
朝鮮半島で、古代の製鉄が続かず消滅してしまったのも、半島は森林が少ないために十分な量の炭(つまりはその元になる木材)が供給できなかったからでしょうね。
今でも岩山ばかりなのは、鉄の生産のために木を切り過ぎてしまったのかも。

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