2015年7月21日火曜日

光秀曜変 / 岩井三四二



明智光秀が本能寺の信長を討った理由は、未だに不明ですが、本書では光秀の享年を従来説の55才から最新学説の67才と改め、老いによる記憶障害と被害妄想によるものとしています。
色々と説はありますが、当日畿内にいる有力武将は明智光秀のみで、ろくな警護も付けずに防備の甘い本能寺に信長が滞在することを、前もって予測するのは無理がある(信長は気まぐれなので、いつどこへ行くのかを前もって予測するのはほとんど不可能)ので、数日前にこういう状況になり討つことが可能であるという判断が下せたということは、まだちゃんとした判断能力が光秀にあったということなので、暈けていたとは思えないのですよね。
まあ年寄りの惚けというのは、常に変な行動を取るわけでもなく、まともな言動行動とおかしな振る舞いとが入り交じる物なので、信長を討てるという可能性に気が付いたまともな判断力と、実際に討とうとする異常性とが入り交じっているというのは、実際に近いのかも知れませんが。

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