2016年8月20日土曜日

刀の日本史 / 加来 耕三



加来氏はただの歴史作家ではなかったんですね。
タイ捨流の使い手なんだそうで。
実際に剣法を知っている方が、刀が日本史の中で如何に発達して来たかを述べられています。

元寇が日本刀に変革をもたらしたという指摘。
日本刀が明に大量に輸出されたが、大陸の刀剣はほとんど輸入されていないという指摘。
実にご尤もな指摘で、興味深いです。

この中で、日本刀を輸出して、大量の鉄を輸入していることを指摘されています。
蹈鞴製鉄だけでは、刀の原料となる鉄が足りなくなったのだろうという推測をされています。
しかし、大陸の鉄は鋳鉄で、日本刀に必要な鍛鉄ではないので、現代の溶鉱炉で作られた鉄では日本刀が作れないのと同様、大陸の鉄では日本刀は作れないはずなのですが…。
室町期には一般家庭でも、鉄鍋、鉄釜、鉄の農機具などが普及するので、輸入された鉄は日本刀以外の鉄製品に使われたのではないのかなぁ?

0 件のコメント:

コメントを投稿