2016年7月31日日曜日

本能寺の変 秀吉の陰謀 / 井上 慶雪



本能寺の変の実行犯は明智光秀ではなく、羽柴秀吉の手の者による犯行で、冤罪であるという説です。
今に至るまで、明智光秀が何故謀反を起こしたのか、動機が不明で、それ故に後世に色々と造り話がされ、それを史実と勘違いした歴史家が出る始末。
秀吉の大返しも、どう計算してもおかしなことばかりで、事前に事が起きることを知っていたとしか思えない。
お説のように、全ては秀吉の陰謀によるもので、光秀は濡れ衣を着せられただけと考えれば、かなりの点で筋が通ります。
が、それでも何点かは無理が残るんですよね。
いくら秀吉が天才的な知略の持ち主でも、信長の行動をあそこまで見事に予測し誘導できたか?という疑問が残ります。
本書で書かれていますが、本能寺は信長の常宿ではなくそれ以前には半年前に1回だけ、なので、当日本能寺に泊まることをどうやって予測できたのか。
茶会を催すため、ということなのですが、茶会は本能寺でなければできなかったとも思えません。
その茶会に多数の名物(茶器)を携えてくるのに、供回りが数十名程度というのも不自然です。

お説最もな部分は多かれど、筋が通らないことも多いのも確か。

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